ミルデューラ<Mildura>地方の 土地と人の魅力
ミルデューラ地方のご紹介
オーストラリアの広大な大地を潤す重要な水源である雄大なマレー川のほとりに広がるミルデューラ地方は、訪れる人々に幅広く魅力的な観光アクティビティを提供しています。遊覧船でのクルーズから地元で収穫された新鮮な作物とワインを楽しめるグルメ体験、そしてゴルフやこの地方の広大な自然との触れ合いまで、ミルデューラ地方はどんな方にでも楽しんでいただける魅力を持っています。
この地方は長年にわたり「オーストラリアの食料庫」として評価されており、周辺に広がる農業地帯ではブドウや柑橘類、アーモンド、オリーブに加え様々な野菜など、多くの作物が栽培・収穫されています。
町やその周辺では、ミルデューラ産の作物の素晴らしさを多種多様な料理で表現している地元のレストランや食堂が、スタイリッシュで洗練された空間でこの地方の自然の恵みを楽しませてくれます。ミルデューラの町の飲食店が立ち並ぶ通りはその名も「ご馳走街 <Feast Street>」として知られていますが、素晴らしいのは食べものだけではありません―― この通りのレストランは受賞歴のある銘柄も多いミルデューラ産ワインも豊富に取り揃えており、地元の人々や観光客をうならせています。
また、ミルデューラの市街地を散策すれば、この街が誇るアートや文化、そして歴史にも触れることができます。ミルデューラの町中には美術館や博物館、そして彫刻作品から史跡地までもが点在していますので、ぜひそちらもお訪ねください。
広大な空に太陽が輝く日々、そして温かく迎えてくれる地元の人々は、ここを訪れる人の心に忘れられない印象を残し、ミルデューラ地方の旅の思い出は人生の宝となるでしょう。
データで見るミルデューラ
位置
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ビクトリア州北西部
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地域全体の推定人口
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51,373 人
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ミルデューラの人口
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31,298 人
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先住民(アボリジニ)人口
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1,432 人
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面積
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22,330 km2
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海抜
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50 m
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地勢
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この地方特有のマリー <Mallee> 種のユーカリが植生しており、大規模穀物栽培が行われている農場や集約型園芸用の農地、そして活気に溢れる町が点在しています。美しいマレー川はミルデューラ地方の中を縫うように流れ、観光で訪れる人々だけでなく住民の生活にとってもこの地方の中心的存在となっています。
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気候
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夏季は乾燥していて冬季も比較的穏やかな地中海性の気候です。年間の平均快晴日数は122日で、気温が摂氏30度を超える日は毎年平均77日におよびます。
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主要産業
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乾燥地農業や灌がい園芸(生食用・ワイン用・干しブドウ用の各種ブドウ類、柑橘類、野菜など)、観光、食品・飲料製造、運輸・物流、販売、医療・健康産業、コミュニティサービスなど
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新興産業
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再利用可能エネルギー発電、水産養殖、鉱物砂採掘、リサイクル業など
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注: データは2011年オーストラリア国勢調査 <2011 Census> に基づいたものです
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ミルデューラの歴史― 開拓者たち
チェイフィー兄弟 <The Chaffey Brothers>
ジョージ・チェイフィー <George Chaffey> とその弟であるウィリアム・ベンジャミン・チェイフィー <William Benjamin Chaffey> がミルデューラにやって来たのは1886年のことでした。そして2人はこの地でオーストラリア史上初の灌がい用水網を整備したのです。カナダに生まれ、米国カリフォルニア州での灌がいプロジェクトで大成功をおさめていたチェイフィー兄弟は、農地開拓と入植者受け入れを進めるためのさらなる用地開放を求める声への対応に窮していた当時のビクトリア州首相 アルフレッド・ディーキンにより招聘されたのでした。
チェイフィー兄弟とその家族は旧ミルデューラ牧場主邸 <Old Mildura Homestead>(現在はミルデューラ牧場屋敷<Mildura Station Homestead> として知られています)に居を構えていましたが、灌がい開発の初期段階に成功した後の1889年には、弟のウィリアムがリオ・ビスタ <Rio Vista> の建設に着手しました。「川の眺め」という意味のスペイン語に由来するRio Vista という名称は、この邸宅の内部にも見られるカルフォルニア風デザインからの影響を反映したものでもあります。
訪問者の方々は史跡邸宅 リオ・ビスタ <Rio Vista Historic House> や 旧ミルデューラ牧場主邸を含む9ヵ所以上の歴史的な場所や建物からなる「チェイフィーの足跡 <Chaffey Trail>」という兄弟ゆかりのスポットをご自身のプランで訪ねて回ることができます。
主な観光スポット
ミルデューラ牧場屋敷 <Mildura Station Homestead
ミルデューラ牧場屋敷の一帯は現在の敷地の付近にあった屋敷を復元したものであり、現在の屋敷は1984年11月21日に公開されました。ここでは Chaffey Brothers Ltd. というチェイフィー兄弟の事業の拠点として使用されていたこともある建物が再現されています。
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史跡邸宅 リオ・ビスタ <Historic Rio Vista House>
1889年に現在のミルデューラの市街地のはずれ、マレー川を臨む敷地にW.B. チェイフィーにより建てられたリオ・ビスタは、この地方の歴史に深い関わりのある邸宅です。
リオ・ビスタはレンガ造りの豪華な建築物であり、そのレンガもチェイフィー兄弟が経営していた工場でつくられたものでした。建設にあたってはほかにもマレー川流域に育つ豪州ヒノキ <Murray Pine>やユーカリの一種であるレッドガム<Red Gum>に加え、輸入された木材も使用されました。また、リオ・ビスタの建築様式には英国アン女王に由来するクイーン・アン様式が採用されており、邸宅では当時のままの家具や内装などを鑑賞することができます。
リオ・ビスタの姿は総合的な復元プログラムのもとで継続的に変化しており、ベランダ部の木組みに施された装飾の修復や建設当時の戸口・階段の復元が行われているほか、邸内応接室の内装については当時使用されていたビクトリア様式の壁紙を施し直したうえで配色も甦らせて、完全な再現作業が進められています。
リオ・ビスタは1956年に買い取られ、ミルデューラ地方美術館<Mildura Regional Art Gallery>の常設展示作品を所蔵するためのアートギャラリーへとその役割を変えていきました。その際には作品の展示上の都合でサンルームを含む邸内のいくつかの部屋が改装されてしまいましたが、建物の取り壊しも土地の再区画整理もされずに済んだのは、この美術館としての再利用があったためであるとも言えます。
ミルデューラ地方美術館は1966年11月22日に当時のビクトリア州首相 ヘンリー・ボルト卿により開館され、2006年には開館50周年を迎えて長年にわたっての素晴らしい美術作品の展示というその功績があらためて認識・評価されました。現在、リオ・ビスタはミルデューラ・アートセンターの一部となっています。
ミルデューラ・アートセンター <Mildura Arts Centre>
マレー川の河岸からほど近くにあるミルデューラ・アートセンターは、特別な体験を提供してくれる空間です。建設に際して870万ドルが投じられたこの新しい芸術劇場には、444席の劇場をはじめとしてアートギャラリーや史跡邸宅であるリオ・ビスタ、彫刻園、そしてアルコール類も楽しめるカフェが併設されています。
アートセンターでは素晴らしい作品が取り揃えられている常設展示を鑑賞できるほか、史跡邸宅 リオ・ビスタを訪れてミルデューラの歴史を辿る旅も楽しんでいただけます。
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マレー川 <Murray River>
マレー川はオーストラリア最長の河川であり、ニュー・サウス・ウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州と、実に 3 つの州にまたがるその流域に多大なる恩恵をもたらしています。
ニュー・サウス・ウェールズ州では、内陸部のメニンディー湖群とキンチェガ国立公園を通っているダーリング川がそこから南下した位置にあるプンカリーの町まで流れ、さらに南西にあるウェントワースの町のほとりでマレー川と合流しています。 ダーリング川とマレー川が合流するこの地点では水が渦を巻くようにして天然のショーを見せてくれます。この合流の様子を見るのであれば、ウェントワースの町にあるジャンクション公園内の展望台からの眺めがおすすめです。
この地域では、マレー川灌がいプログラムの一環として川沿いの数箇所に設置されている取水堰(しゅすいせき)や閘門(こうもん:水量調節用の堰)の一部を見学することができます。元々は1920年代から30年代にかけて建設されたこの取水堰と閘門によるシステムは、灌がい用の支流に安定した水量を供給することと、付近を行き来する商用貨物船や外輪汽船が年間を通して航行できるようにすることを目的とするものでした。流域にあるミルデューラやウェントワースの町からは、歴史的で趣のある外輪汽船に乗船して当時の交通・輸送手段であった河川船がどのようなものであったのかを実際に体験し、その歴史について学ぶことができます。
国立公園
ミルデューラ周辺にはその広さ合計100万ヘクタールにもおよぶ国立公園が点在しており、この地方特有の環境や多種多様な動植物たちが保護されています。こうした国立公園ではガイドツアーも提供されており、中でもマンゴやワイパーフェルドといった国立公園は人気の高い観光スポットです。
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マンゴ国立公園 <Mungo National Park>
位置:ミルデューラから北東に110km(ブロンガ経由)
みどころ:太古を思わせる「万里の長城 <Walls of China>」と呼ばれる砂丘や旧マンゴ羊毛刈り場、奥深いアボリジニの歴史
アクティビティ:自身で運転するセルフドライブでの公園内ツアー、
ガイドによる解説付きのディスカバリー・ツアー
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ワイパーフェルド国立公園 <Wyperfeld National Park>
位置:ミルデューラから南に150km、ホープタウン経由ではミルデューラから南西に250km
みどころ:雨季になると大地を彩りで覆う砂漠の花々、奥深いアボリジニの歴史
アクティビティ:バードウォッチング、ブッシュウォーキング、
ビジターセンター訪問、大型/小型バスツアー、4WDツアー
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オーストラリア内陸部植物園 <Australian Inland Botanic Gardens>
ブロンガ <Buronga> の町のリバーロード<River Road> から入園できるオーストラリア内陸部植物園は受賞歴もある植物園であり、乾燥地帯でありながら世界有数の灌がい・水資源管理により潤いを保ってきたこの地方の生態系の多様性を反映する、外来および原生の植物が揃えられています。植物園内には自然の散歩道 <Nature Trail>とバラ園のほかにも、素敵なブッシュ・チャペルや羊毛刈り取り小屋などのみどころが満載です。
グルメとワイン
ミルデューラ地方では、高い評価を受けているワインや、豊富な地元の農産物を食材としてつくられる素晴らしい料理をクオリティの高いレストランで楽しんでいただけます。また、ワインや地元産の食材は市場や食堂、醸造所の直販場でもお買い求めいただけます。
食材
ミルデューラは「オーストラリアの食料庫」であり、優れた灌がい農業の発達したこの地方はドライフルーツでは95%、生食用ブドウについては69%、そして柑橘類では21% という国内生産量シェアを誇っています。 また、ミルデューラ周辺の地域はオーストラリアのアーモンドやピスタチオ、オリーブ、にんじん、アスパラガスといった作物の主要な生産地としても知られています。こうした土地で提供されているガイドツアーに参加すれば、この地方で柑橘類やピスタチオ、そしてマレー川の塩といったグルメ食材を栽培・製造している生産者に直接会うことができます。
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ワイン
ミルデューラ周辺のワイン地帯はブドウ栽培に適した気候に恵まれており、長年にわたりブドウの栽培が行われてきました。オーストラリア国内でも2番目に大きなワイン生産地帯として知られるこの地方では、豪州全土のブドウ圧搾量の約20% に相当する量のブドウが生産されており、気軽に楽しめる価格でありながら高品質のワインの産地として評価されています。この一帯を訪れて醸造所の直販場巡りをして、ミルデューラ地方でつくられている受賞歴のあるワインを味見してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ先
ミルデューラ地方の観光アクティビティやツアーについての詳細情報は、ミルデューラ観光協会 <Mildura Tourism> ホームページにてご確認ください:
www.visitmildura.com.au.
ツアーのご予約についての詳しい情報やサポートをご希望の場合は、ミルデューラ観光インフォメーション・ご予約センター <Mildura Visitor Information and Booking Centre>のフレンドリーな担当職員にご相談ください。
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Mildura Visitor Information and Booking Centre
所在地:Mildura市内Deakin Avenue と Twelfth Streetの角
電話(豪州国内のみ): 1800 039 043
窓口時間:月曜-金曜 9.00am – 5:30pm
土日・祝祭日:9.00am – 5.00pm
12月25日は閉館